タコメータ付きフライホイールの抵抗制御
前回製作した電動カム軸式抵抗制御器を使って、フライホイール付きのモータを回してみました。
フライホイールにはロータリーエンコーダが組み込まれており、回転数を測定して自動車用交差コイル式メータに表示させます。
電動カム軸式抵抗制御器
詳細は前回の記事をご参照ください。
今回はこれまで課題となっていたロータリーエンコーダの位置決め精度改善のため、フォトリフレクタ(反射型)からフォトインタラプタ(透過型)に変更しました。 スリット板はボール紙のレーザー加工です。
また、これまでは主抵抗器に 2.2Ω 1W のカーボン抵抗を使用していましたが、後述のフライホイールを駆動したところ過電流により 焼けてしまいました(なぜこんな容量の小さい抵抗を選んでしまったのか…)。
そこで、カーボン抵抗1本→ 5 Ω 5W のセメント抵抗を2本並列 に置き換えました。
メータには本来モータ電流値も表示させたいと思っており、回路に電流センサモジュール(ACS712)を割り込ませました。(が、残念ながらうまくいきませんでした。)
フライホイール
MDFのレーザー加工で製作しました。
なお、今回からはCNC3018という中華製激安CNCを使用しています(MDFはt2.5までしか切れません…)。
フライホイール本体の円盤にDCモータ(RS-385PH)2個を両側から直結します。
ロータリーエンコーダは今回はZ相のみ使用しています。
ボス部は初め3Dプリンタで造形しましたが、穴の真直度・同芯度がうまく出せなかったので、t2.5のMDF板を3枚重ねにし、 組み立て時に精度を出すこととしました(まだ少し偏心しますが…)。
トルク伝達は以下の方式を考案し試してみました。
- 2枚目のボス部品に幅 2.5 mm のスリットを設ける。
- 1を残り2枚の板で両側から挟むと直方体の穴ができる。
- 直方体の穴にM3タップでねじを切る。
- ねじ穴にM3いもねじを締める。
ねじがなめることには気を付けなければなりませんが、伝達トルクが小さければ(締め付けトルクが小さくて良ければ)問題なさそうです。
メータ
自動車用交差コイル式メータ
以前ヤフオクにて250円で購入した、H13年式 インプレッサスポーツワゴン(GG2)のメータユニットを使用しています。
詳しくはいずれ解説記事を書きたいと思いますが、名前の通り直交したコイルが2本入っており、振りたい角度の sin 成分・cos 成分の 電圧を印加することで制御する方式となっています。(燃料計・水温計は少し方式が異なります)
近年はステッピングモータ式が主流かと思いますが、電子工作用途に関していえば交差コイル式は追従性が良いことがメリットだと感じています。
メータドライバ
メータドライバと書きましたが、ほぼモータドライバです。
メータ1個につきマイコン(AE-ATMEGA328-MINI)とモータドライバ(DRV8835)を1個ずつ使っています。
スマートな方法とはいえないかもしれませんが、こうなったのには以下のような経緯があります。
- マイコンPWM数が多いESP-WROOM-32を試したが、PWM出力が線形でない?ため断念、AE-ATMEGA328-MINIを使うことにする
- HMcircuit様のページを参考に、レールスプリッタを用いて中間電圧を作りピン数を節約する(12V電源から作った6Vを仮想GNDとして0~12V出力との差分で正負電圧を得る)方針としたが、電圧が安定せず断念
- 2電源で同様のことを試みたが、こちらも出力が安定せず断念
それぞれのマイコンで電流センサとロータリーエンコーダのアナログ値を読んでいます。
ロータリーエンコーダは外部割り込みで読み、メータ制御はloop関数内に書いていますが、制御周期に難ありの気がします。 どうやるのが正解なのでしょう…?
動画
YouTube
※音量注意!
フライホイールの下には耐震マットを敷いていますが、音がかなり大きいです。
これでも高回転域の音量は編集の過程でかなり下げました。
おまけ 電流値あり
スピードメータに電流値 [×10 mA] を表示させてみましたが、おそらく正確な値が取れていません。
動画にはありませんが、電源ON時には値が大きくドリフトします(車のメータだけに…?)。
本当は進段にあわせてくっくっと動いてほしかったのですが。
ニコニコ動画
前回の内容に追記する形としています。
0コメント