[コラム]イライラ棒上下モジュールの紹介
モジュール型イライラ棒のうちの1モジュールです。
モジュール中心付近で棒の通り道が3つの部分に分かれバラバラに動きます。
外観
部品は主にt5.5のMDFで作っています。
機構
プレス機などに用いられるスコッチヨーク機構を採用しています。
偏心した円盤がスライダの2面幅部分にはまっており、モータ(タミヤのウォームギアボックス)の回転に応じてスライダが上下します。
円盤左右のガイドのほか、図にはありませんがスライダ下部にアルミ棒が固定されており、本体の溝にはまって摺動するガイドがあります。 これらガイド部分は摺動抵抗低減のため100均のすべるシートを貼っています。
本機構の採用には、スライダクランク機構と比較して以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット
- 回転対偶は1個であるため厚さを薄くできる
- 3節機構であるため高さを抑えることができる
- 摩擦を無視すればスライダに横方向の力(サイドスラスト)がかからない
デメリット
- 偏心円盤の摺動抵抗ががスライダをこじる方向に作用する →今回の作品についていえばそこまで高効率ではなさそうです。
この機構を120°の位相差で3組同軸上に配置しています。
元々はステッピングモータで駆動予定でしたが、トルク不足で動かないことが判明しギアボックスに変更しました。 そのため結構音がうるさいです。
ところで、スコッチヨーク機構で単気筒の蒸気エンジンを製作した方がいらっしゃますが、この方式のエンジンの実用化は難しいのでしょうか?
変位は完全に上下対称な動作(正弦波)になるので、これを4気筒エンジンに採用したら二次振動が発生しないメリットがあると思いますが。
スライダの下端は棒の通り道になっています。
コースの壁には接触検知用のアルミホイルを貼り、マイコン(AE-ATMEGA-MINI)の入力ピンに配線しています。
写真には写っていませんが、コースの終端に取り付けた反射型フォトインタラプタでクリア判定を行います。
コースの奥には装飾のLEDを付けました。
シンプルなコースですが、モータの所要トルクが大きいためある程度高速で回さなければならず、意外と難易度が高くなってしまいました。
この部分がスライダと一体になっているため、失敗すると棒が挟まってしまいます。
SEA(直列弾性アクチュエータ)のように、ばねなどを使ってコンプライアンス性を持たせると良いのかもしれません。
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